今日は、ダイビング中に出会った1匹の海亀の話をしようと思います。
特別な出来事があったわけじゃない。だけどその出会いは、今でもぼくの心に強く残っています。
その日は、朝からちょっとだけ曇っていました。
空はぼんやりと白くて、太陽の光もやわらかく、いつもの青よりも少し落ち着いた海。
器材を背負って、海にゆっくり入っていくと、
水温もちょうどよくて、深く呼吸するたびに、少しずつ気持ちも整っていきました。
その日の海はとても静かで、
水の中に入った瞬間から、世界が一気に“無音”になる感覚。
ふだん聞こえる音や、頭の中のざわざわが、
まるで海の水に吸い込まれていくみたいに、すっと消えていく。
そんなふうにゆっくり泳いでいたとき、
前方のやわらかい光の中に、ふわっと丸い影が現れました。
最初は魚かと思ったけど、近づくにつれて、
それが1匹の海亀だとわかって、思わず動きを止めました。
海亀は、まるで自分のペースだけで生きているような、
のんびりとした動きで、こちらに近づいてきました。
両手のような前足をゆっくりゆっくり広げて、
水をかくようにして、まっすぐ泳いでくる姿は、
時間が止まって見えるくらい、ゆるやかで美しかったです。
一瞬、こっちをちらっと見た気がしました。
あの目が、ぼくの目と合ったとき——
**「あ、わかってくれた気がする」**って、なぜか思ってしまいました。
しばらくの間、何も考えず、ただその海亀を見つめていました。
ぼくも、海亀も、どちらも焦ってない。
音もないし、言葉もない。でも、そこにはちゃんと**“同じ空気”**が流れていたんです。
そのときふと気づいたのは、
普段の生活って、思ってたよりもずっと“急ぎ足”なんだなってこと。
「次はどうする?」「もっと頑張らなきゃ」って、
常に何かに追われるように生きていた気がします。
でも、海亀は違いました。
ただ、今を泳いでいるだけ。
それなのに、ちゃんと存在感があって、美しくて、見ていて心が落ち着く。
ぼくも、もっと自分のペースでいいのかもしれない。
焦らなくても、立ち止まっても、それでも前には進んでいる。
あのとき、海亀は何も言わなかったけど、
**「大丈夫。ゆっくりでいいんだよ」**って、そう言ってくれていたように感じました。
この記事を読んでくれているあなたにも、
そんな時間が、少しでも届いたらうれしいです。
また、海の中で出会った景色や気づきを、
この場所に書いていけたらと思っています。あの海亀との出会いは、
ぼくにとって「Slow Dive Life」っていう、このブログのテーマそのものだったなと思います。
海の中で、何かを急ぐわけでもなく、
ただ目の前の水の流れに身を任せて、自分のリズムで生きている姿。
それって、ぼくたちの暮らしにも、すごく大事なことなんじゃないかなって。
“速く進むことが正解”じゃなくて、
“自分のペースで、気持ちよく進んでいけること”が幸せなのかもしれない。
「Slow Dive Life」という名前には、
そんなふうに“海みたいにゆったりした暮らし方”を届けられたら、という思いをこめています。
海亀に教えてもらったこの感覚を、
これからも大事にしながら、ブログに書いていけたらと思います🐢
よかったら、ゆっくりと、これからも遊びにきてくださいね🐢
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